ぱんたろ帳

おっさん

VTuberスケールしない問題

現在のVTuberは、人間でいう見た目に当たる3Dモデルの質が一定ラインに到達してしまっており、元々のYoutuberにあった見た目の差異がほぼなくなってしまっている。
しかも生身の人間とは違って3Dモデルでできることは限られているため、必然的に動画コンテンツも似てくる。こうなると声やしゃべり方、アドリブとかそういった方向で勝負せざるを得ないが、これは現状デジタル化されていない、生の人間がやっている部分でもある。
つまり、VTuber受肉という形で見た目の格差を取り払った代わりにコンテンツの制約を受け、その狭くなった世界で個人の才能や資質で戦うことになった状態と言える。
当然これではスケールしない。元々Youtuber自体、個人の収入手段であったのだから当然のことなのだが。

Youtuberが個人という括りだけで進めばよかったのだが、市場が大きくなるにつれ事務所ビジネスになり、VTuberはほぼ企業ビジネスであるし、スケールしないとビジネスとしては厳しい。
これは芸能事務所やアーティスト、スポーツ業界などが抱える根が深い問題であり、個人の才能で稼ぐことに対する企業としての難しさはそう簡単には解決できない。

人が人の才能に魅せられ、それに対して価値を感じ、支払いが発生するというモデル。全てがAIになると無くなるビジネスなので、人間という性に強く依存しているのだろう。

人間が人間に感じる価値をデジタルシフトできる日は来るのだろうか。